骨盤とは-2-

骨盤を形成している骨は、それぞれ、どういった働きをしているのでしょう。

 

人間の身体は、骨盤を中心にして、上へ伸びた脊椎が司令塔である脳を支え、下へ伸びた2本の足が大地を踏みしめ上半身の体重を支えています。上半身の体重は、背骨から仙骨へと伝わり、仙腸関節を通じて左右の股関節へ、それぞれ1/2ずつにされた体重が伝えられていきます。さらにその先の膝や足に伝えられ、それによって体重を支えています。

 

つまり、骨盤の異常は背骨の土台の異常であり、その歪みは背骨の歪みを生じさせることになります。

 

女性にとっては、子宮や卵巣といった妊娠出産に大切な臓器を守る堅固な城壁の役目も果たしています。また、出産時には、仙腸関節や恥骨結合、仙骨などが微妙なバランスで動き、胎児が通りやすくなるように骨盤腔を広げます。

 

骨盤は、自律神経の作用などで緩んだり締まったりを繰り返しています。活動をつかさどる交感神経によって骨盤が締まり、休息をつかさどる副交感神経によって緩むことで、体内のリズムを保っています。

 

骨盤自体は開いたり閉じたりするものではありませんので、あまり大きく動いたりずれたりすることもありません。仙腸関節の動きも、わずか数ミリといわれています。従って、骨盤の調節とは非常にわずかな調節を意味し、ほんのわずかな調節で骨盤矯正は行われるということになります。

 

骨盤についての間違った知識のもとでの矯正やダイエットは、かえって悪い結果をもたらすことになります。矯正やダイエットを行う際には、専門家の意見を仰ぐなり、自己責任において行ってください。